2007年12月25日にTBSで放送された『小田和正音楽特番・クリスマスの約束2007』の感想です(やたら長いです。)
2007/11/20・赤坂収録レポ→
クリスマスの約束、味わうように、噛み締めるように、ちょっとずつ、ちょっとずつ観ています。
小田さんとゲストのひとたちとで作り出す音楽を、語る言葉を。
以前のクリ約のDVDも引っ張り出して、変わらぬスタイルの良さに感嘆したり、話しっぷりがますます落語っぽくなってきたと思ったり(笑)
高校の後輩のオーケストラと「こころ」共演。
大学の後輩のために1年かけて合唱曲を書き、指揮者として共演。
それぞれの世代から5組のアーティストを迎え、
最年長のさださん、最年少の矢井田さんと新曲を制作し、
最後は「紅白ではなくここで」と、2007年の半年間すっかり毎朝はまっていた「ダイジョウブ」を披露。
60才という節目の年に、今までで最も多彩でアグレッシブな、2007年の「クリスマスの約束」でした。
特に、後輩さんたちとの共演は「節目」ならではの重い意味があったのではないでしょうか。
世代を超え、音楽を日本の誇れる文化として伝えてゆくこと。
「クリスマスの約束」スタート以来ずっと変わらない、志。
2007年も、小田さんはびしっと決めてくれました!
そして、その活動のエネルギーがいよいよツアーに向けられ、走り出したような気がして、わくわくしています。
「たしかなこと」
今年はツアーで一緒に歌える…と思っただけで…ぐしぐし(涙ぬぐう)
心の第一位はゆずれない。
「こころ」
高校の後輩、弦楽オーケストラ部との共演。
中1の人は50期生、小田さんは3期生だそうです!もはや祖父の代…
も・し・か・し・て!小田さんの質問に答えてたのは、
以前、クリ約幕張収録や、小田さん母校の記念ライブ記事を紹介させて頂いた、
【ひげのおじさん】さまの息子さん?!
かしこそう。そしてなんてしっかりしてるの!!
中1つったら坊主頭で校庭で遊び回ってるんじゃないの(違います)でも、はにかみながら答える笑顔は、中1らしいかわいらしさ^^
オーケストラ部の男子ってかっこいいなあ~。ひょっとして将来は菊地くんタイプ(@のだめ)に…??(すいませんすいません)
「my home town」
赤坂の収録で、目の前の小田さんがMCの後で「ちょっとだけ」とピアノを弾きながら歌い始めた瞬間…あまりの贅沢さにぞくぞくしたです。
宮沢和史さん。
力強い歌声に圧倒されました。
「中央線」きっと何度となく歌ってこられたと思うのですが、いわゆる「歌い慣れている」技巧的な部分はみじんも感じられず、
常に毎回が真剣勝負で、「中央線」という歌に挑んでいるような印象を持ちました。
それは「風になりたい」でも、アンコールの「島唄」でも感じました。
「島唄」が日本語の歌なのに外国で人気が高いのは、言葉はわからなくともその熱い気持ちが伝わるからなのだと思います。
島唄も放送で聴きたかった!とっっても良かったので。
それにしても、収録では本当に緊張されてました。
「秋桜」
ピアノの前に座る小田さん。
先ほどの「my home town」の時のようなあたたかな親密さは消え、張りつめた気配がみなぎっていました。
放送されたのは幕張で演奏されたものですが、
赤坂でも、さださん登場の前に「秋桜」を歌い、
さらにはアンコールの後で「やり直したからといって必ずしもそっちが良いとは限りませんが」と、もう一度「秋桜」を。
他のアーティストの楽曲を歌う小田さんを観ていると、骨身を削る、という言葉が浮かんできます。
自分の歌以上に神経を研ぎすませ、歌の世界を奥深く追求しようとしているのを感じます。
さだまさしさん。
あんなに歌で感動させる人なのに、話すと楽しすぎる~!
赤坂の収録では、歌より笑っている時間の方が長かったのではないかと。
話しすぎて収録時間が押したらしい(笑)
自分の曲は重い曲が多いので、バランスをとってMCは楽しく…と言ってらしたのですが、
ユーモアというのは悲しみと表裏一体だということを、もの凄くよく知ってる方なんだろうなあと。
「woh woh」
小田さん以外でこの曲を「歌える」人は、さださんをおいてはいないかも知れない…と、冒頭の「不思議だね」…を聴いて思いました。
小田さんの曲の中でも、かなり難しい曲のひとつだと思うのです。歌の世界を作り出すという点において。
メインボーカルをすっかりまかせて、コーラスに回った小田さんが新鮮でした。
「たとえば」の制作風景は、放送で初めて見ました。
これまでのクリスマスの約束では、小田さんと孫(ゆず)、小田さんとやんちゃな甥っ子(スキマ)と、若い人たちとの共作が続いたのですが、
今年はさださん。MCでも言っていたように、デビューの頃を知る、そしてお互い長年にわたって音楽を追究してきた、同世代のアーティスト。
途中の言葉のやりとりも、面白いんだけど深い…
完成した楽曲は「たとえば」
収録で聴いた時、泣きました。プロデューサーも泣いたと言ってました。
この番組があったからこそ、生まれた名曲。
二人の力強い歌声が、「今」をしっかり歩いてゆけと、指し示してくれているような。
特に目標もなく日々茫洋と過ごしている自分にとっては、キリキリと胸が痛む曲でもあります。
しかしこんな名曲、一度きりの披露ではもったいない!いっそ今年の紅白は「さだおだ」でどうでしょう(笑)
ラストは小田さんの声で終わりたい、と譲らないさださんに、
「老いては君に従おう」の名言を残した小田さんですが、
ユニット名を「さだおだ」にするか「おださだ」にするかでもまたごちゃごちゃ(笑)で、「そこはゆずりなさい。さだおだ」に決定。
・・うん、「さだおだ」のほうが語感がいいですな^^「ゆずおだ」「さだおだ」「やいだおだ」
去年のスキマさんたちは…「おだスイッチ」?(なんのスイッチだろう)
何年後かにはクリ約きっかけでアルバム一枚できちゃうかも!
くるり。
見た瞬間、岸田さんだってわかんなかった。フツーっぽくなってるじゃありませんか!なのに、かえって不気味さが増してたかも?
曲は「Jubilee」
小田さんの音楽と、くるりが追求してる音楽、そこになにか接点はあるのか?そこを見てみたい、と思いつつ京都のイベントに参加したわけですが…結局見つけられず。クリ約でもよくわかりませんでした。
そのわからなさ加減が不気味で面白い。
小田さんも観に行かれたという横浜でのくるりライブ、面白かったそうで。聴いてみたかった。。
京都で演奏した「ばらの花」も、もういちど聴きたかったですが、
今後もくるりとは共演の機会があるかも、と期待しています。
矢井田瞳さん。
かつてレコーディングで松さんを悔し泣きさせた前科(笑)のある小田さん。いやーめでたくまとまってよかったよ社長(笑)
たとえ女子がバッターボックスに立とうと、いっさい手加減なしで速球を投げこむ主義
の小田さんですが、
矢井田さんは、カモン速球!
て感じで(笑)体育会系なのか、それとも去年のスキマさんみたく飄々としてるのか、どっちかな?
楽曲の制作風景は、ライフサイズで見られるでしょうか。小田さん、意外とたじたじだったりして…
「恋バス」かわいらしくてちょっと切ない、いい歌でした。
さすがにこの詩は小田さんには書けませんな(笑)
これからも臆せず、どんどん若い女子ともコラボして頂きたい。
続いて、佐野元春さん登場から・・
まずは、2003年のクリスマスの約束にさかのぼらねばなりません。
初めて、クリ約にゲストが来てくれた年です。^^
ゆず、根本さん、財津さん、桜井さん。
ゲストが去り、興奮冷めやらぬ会場で、小田さんが話し始めます。
「さて、いよいよ締めくくりに選んだ曲です。
この曲は去年、この番組で何をやろうかあれこれ聴いてるうちに、出会いました。
で、遅ればせながら、すごく…いい曲だなあ、と知ったわけで。
心が切なく…揺さぶられるような、僕にとってね、曲でした。
青春っていうのはこうだよな、男、っていうよりも、男の子って、こうだよな。
で、彼のその声が、それをさらに強く伝えてくれて、
月並みな表現ですけども、忘れていたものを、なんか思い出させてくれました。
彼はきっと、呼んだら来てくれたかもしれませんけども、
今日は、あえて、僕ひとりでやります。」
『SOMEDAY』
リズムをとって、小さく指を鳴らす客席。
会場に響く、その微かな音に合わせて、アカペラで歌い出す小田さん。
街の唄が聴こえてきて
曲が進むにつれて、
ファーイーストクラブバンドの音と、コーラスが重なってゆく。
徐々に力強さを増してゆく音に、揺るぎない想いが見えてくる。
この時の『SOMEDAY』は、小田さんが紹介する言葉と相まって、過去のクリスマスの約束で演奏された曲の中でも特に、忘れ難いものでした。
「彼はきっと、呼んだら来てくれたかもしれませんけども」
この言葉に、佐野元春というアーティストに対する確固たる信頼と、音楽を通した絆が見えたように思ったのです。
そして、4年後のクリスマスの約束。
来てくれたよ~~~佐野さん!!(感涙)
このふたりでどんな会話をするのか、すっごい期待してたんですけど!
・・・ (´ ∇ `)
「へへ…こういう感じですから(笑)なかなか話つなぐの大変ですよ」って小田さん(笑)
もっと、この二人の噛み合わない(あ)会話を聞きたかったな~(笑)
ステージを移動しつつ、目深に帽子をかぶる佐野さん。シャイ♪
小田さん。
「ファンの人たちに「小田さんよく私の気持ちがわかってこんな詩を書いていただいて」とかなんか勝手なこと(笑)わたしゃ知りませんよって感じで…(笑)
この曲を聴いた時に「ああ、こうゆう感じか…」と思って。「俺の、これ俺の気持ちじゃん」みたいな。
俺はその、夜のフラッシュライトを浴びて踊りはしないけども(笑)そこはちょっと違うと思うんだけど、
そのまた微妙に違う感じがまたすごくこう、違う自分がいるみたいな。
ホントはコレが俺なのかな?みたいな…
いい、詩を書きましたね~。」
フラッシュライトを浴びて踊る小田さん…
無理だ妄想すらできない!
佐野さん。
「SOMEDAYいつかきっと、って思う心、それを歌にしました。
20代には20代のSOMEDAY、30代には30代の、そして40代には40代のいつかきっと、という気持ちが、あると思います。
そう思いながら、この曲みんなで歌えるのを、すごい幸せに思います。
一緒に歌いましょう。」
私は、学生時代、この曲がとてもとても好きでした。
小田さんがこの曲を初めて歌ったのは、五十代。
佐野さんの言葉どおり、それぞれのSOMEDAY、がある。
小田さんや佐野さんのように、ずうっと「いつかきっと」と、心ときめかせ続けることはできるんだろうか。。
信じる心いつまでも
歌が終わり、帽子をとって笑顔になる佐野さん。
この日の『SOMEDAY』、しっかりと心に刻まれました。
心の中に温かな、宝物のような思いが残りました。
・・と、まるで大団円みたいな気になっていますが…
コンサートはまだ始まったばかりです!(@キラキラツアー)
「SOMEDAY」作詞・作曲 佐野元春より歌詞一部引用
さてさて。
小田和正音楽特番『クリスマスの約束2007』が、放送批評懇談会が選定する、第45回ギャラクシー賞ノミネート作品として、12月のギャラクシー月間賞を受賞したそうです。(TBSサイトより)
この賞、過去にはなぜか黒バラも受賞しておりますが、
2003年12月に続き、2度目の受賞は、なかなか稀なことのようです。
ゲストのトリは、早稲田大学グリークラブ。
この学生さんたち、見たことある…と思ったら、小田さんに曲を依頼しに来た時の様子を、ライフサイズ2006で見てたんだ。もうずいぶん前のことなんですね。
そして、一年後に完成した楽曲は『この道を行く』
小田さんの手紙を添えて渡された楽譜。
・・重い、これは重いぞ~。
パートリーダーの人たちが初めて小田さんの前で歌った日、どれほど緊張してたか…と思うと気の毒で。案の定ダメ出しされてるし。
早稲田に小田さんが赴いた時のBGMが『どんど晴れ』なのがツボ。
さあ、小田さんの厳しい指導の下、修行がんばってー!
それにしても、生歌、マイク無しの『言葉にできない』聴けたなんてすごい。それだけで一生ものですわ。。
何十年も、ひたすら歌を追求し続けている小田さん。その小田さんが作った曲を、自分たちの歌で聴いてもらう。果たして小田さんを、納得させることはできるのか。
よく考えたら、恐ろしく困難な山に、彼らは挑戦したのではないかと。
楽曲の依頼から完成、そして曲に魂が吹き込まれるまでの過程が、『この道を行く』歌詞そのもののようでした。
いよいよ本番。
小田さんの指揮で、普段着で一生懸命歌う彼らの姿に、曲の歌詞を重ねて見ていました。
スーツではなく、普段着なところに意味があるんだろうな、と思ったり。
小田さんのタキシード姿も、見てみたかったですけどね。
この日の思い出が、彼らがこれからゆく道を照らしてくれますように。
『この道を行く』は、たった今、誕生したばかり。
ステージで、クリ約で歌って、完成ということではないと思います。
これからもずっと100年、200年と(!)学生さんたちに歌い継がれていって欲しいです。ぜひ。
最後は、紅白ではなく、クリ約で歌っちゃいました『ダイジョウブ』。
でも、この曲は、華やかな大晦日の祭典で聴くのではなく、
新しい一日の始まりに聴いて元気をもらったり、静かなクリスマスの夜に、じっくりと心を傾けて聴くのが合っているように思います。
自分にとって、『たしかなこと』みたいに大切な曲になっていくだろうな、と思います。
自分がなんとか頑張ったのは
「音楽がすげえ好きだった」ってゆう
それにつきるね
俺こんなに音楽好きだったのかって
あんなに好きだったからやってこれたんだなと思うよね
美しさや優しさが少しずつ
地上から消えてゆく
そんな気がする時は君に逢いたい
(チューリップ「I dream」詞・曲/財津和夫)
小田さんの静かな歌声と、歩いてゆく後姿。
厳かな思いを残して、2007年のクリスマスの約束は終わりました。
さて、クリ約本編はこれで終わりですがっ!
まだアンコールが残ってるもんね♪アンコール!アンコール!
早くCM明けないかな~
だってほらあれ!あの曲がまだ残ってますよ~っ!ヽ(´ ∇ `)ノ
♪ちゃららぎゅわ~~んぎゅわんぎゅわ~~んぅわ~~んぎゅわ~~んぅわんぅわ~~ん…(待ちきれず歌い出す)
は~じまりはいつもぉあい~~そぉれが~きまぐ~れでも~~
わくわくわくわくわくわく
わくわくわくわく
わくわく・・あれっ?
あれあれあれ??( ° ◇ ° ;
終わっちゃった。。。(ぼうぜん)
・・・
サンタさん…次のクリスマスは…2時間半がいいな…