(再掲)2006年1月放送「居酒屋の星野仙一 小田和正 in 名古屋」その5「ずっと 友だち」

January06 [Sat], 2018, 12:04

 2006年1月26日(木)NHK-BS2放送
「居酒屋の星野仙一~ゲスト・小田和正 in 名古屋」その5(再掲)

■1986年、小田さんが、アメリカのロスに半年以上滞在し、現地で音楽制作をしていたとき。
NHKのキャスターをやっていた星野仙一氏から、突然電話がかかってきた。
「全米オープンやってるからNYのロングアイランドまで来ないか」

小田さん「来ないかって、ニューヨーク行くのに5時間ぐらいかかる。わかってんのかなアイツ、みたいなさ(笑)」
星野氏「ロスアンゼルスからニューヨークまで、か(笑)」

「泊まれるから来いやって。でも全米オープンも見たいし。
行ったよね。ニューヨークで、レンタカー借りて。2時間ぐらいかかんだよロングアイランドまで。
ロングアイランド知らないし、がさつな地図でさ。
ま、行くとこまで行ったんだけど、どうやって会ったのかは覚えてねえんだ。」

仙ちゃん「俺ね、来るの忘れてたの」
和ちゃん「えっ(爆笑)ひでえー!」

・・・

「で、今みたいにナビがあるわけじゃないから。ところが…来たろ?
どうやって来たんだろ」
「俺も覚えてない、最後のとこ覚えてないんだけど。
あんときに二人で飲んで、あの日がとってもおかしいなと思うのよ。ふたりにとって。ねえ。あんな一日があったってゆうのが。」
「そうだよ。」

「それ懐かしく思い出すね今でも。
まあそれで、いろいろあって、監督やったりして、またうわー騒いでんな、相変わらず。暴れん坊でやってるなと思って。
あ、オレも頑張ろ、
オマエ最近しょぼくれてるな、なんて言われたくないし。会ったときに、イーブンな感じで会わなくちゃって、思ってるからね。」

「今日は俺負けたと思う。」
「いやなーにいってんですか!」
「だから俺がんばらなきゃいけないと。」
「いやいやいや。」

「俺のグラブ持っていったの知ってる?」
「星野、って書いてありますよ。」
「あの時代振り返ってると面白いよね。」
「面白いよね。ぽつんぽつんと。点が線になって。
今回この話があったとき、あーなんか、ゴールじゃないけども。
そういう時が来たんだな、っていうふうに思ったね。」

■星野氏に贈る言葉を、色紙に書く小田さん。

「小田に今日…なんか書いてくれよ。」
「そんなこと…考えてくりゃよかったなっ。(←こどもみたいな口調)
へへへ(笑)」
「初めてだよそんなの書いてもらうの。」「そうだよな。」

「はい。できました。(にやにや)へへへっ!」

仙ちゃんへ!

ずっと 友だち

小田和正  2005.12.20

「こう言えるってのはね、やっぱり、我々の歴史っていうか。
(「そうだね」)そういうものが感じられるよな。」

「それが財産だ、って思うよね。」
「友だち。」
「ずっと、見守ってますから。」
「ありがと。俺も見守ってるから。」
「へへへ(笑)」

小田さんの歌が流れる。
17年前、名古屋ドームの監督室で、談笑するふたり。
つい先日の名古屋ライブ、アンコールのステージに登場した星野氏を笑顔で迎える小田さん。

そして今も。

星野氏「今日は小田和正と久しぶりに話しました。
そしてもらったのがね、『仙ちゃん!ずっと友だちでいよう』と。涙が出るような言葉を頂いたんですけどね。

我々ね、団塊の世代の男たちは、みんなを代表して、頑張ってるんだと。
小田を先頭にね、ステージであんだけ張り切って、やってるわけだからね。皆さんもね、彼のステージを観てですね、元気出そうよ!私も元気出すから!もう、元気のない男たちはダメ。
とにかく、あのステージ、我々の話を聞いて、元気出しましょう。
元気が源ですよ。

今日はホントにね、負けた!現役うらやましいなあ!
そんな、日でした。」(笑顔)

星野仙一と小田和正。
ふたりががっちり握手している画面で、番組は終わります。

小田さんと星野さん。
ふたりに共通するのは「熱い男」だということ。
星野氏は激しく赤々と、小田さんは静かに青く、燃えている感じ。

熱い男同士の対談、とっても面白くて、深ーい内容でした。
音楽と野球という、異なる分野でそれぞれに活躍している二人。でも共通する思いがある。

(以上再掲)

【過去記事】
・2006年1月放送「居酒屋の星野仙一 小田和正 in 名古屋」その1
・同 2
・同 3
・同 4

・・・

この後、星野氏は日本代表監督を経て、楽天の監督に就任、日本一を果たしました。
優勝した年の2013年には、小田さんが楽天の始球式に。

真っ直ぐで、熱いお人柄。
この方も「the flag」を掲げていた方でした。

ご冥福をお祈りいたします。