5月の朝に聴く、サウダージ

May20 [Wed], 2009, 12:30

サウダージ
モアシル・サントス
EMI MUSIC JAPAN 2009-05-27
1974年録音

by G-Tools

長旅から帰ってきました… 

初心に帰って、2年ぶり(!)のジャズネタでいきます。

よく晴れた5月の朝。

寝起きのぼーっとした頭でコーヒーをいれ、窓をあけると、爽やかな風が入ってきます。
聴こえてくるのは、近所の小学生の微妙なたて笛(ぷぴー)…

モアシル・サントス「サウダージ」で対抗だっ

モアシル・サントス(Moacir Santos)、北東ブラジル出身。
ブラジル音楽のマルチプレイヤーにして名・作編曲者。

72年にブルーノートと契約、本作品は2作目。
「アーリー・モーニング・ラヴ」、タイトル曲「サウダージ」など、
胸をしめつけるようなメロディ、躍動感あふれるリズムが満載。
”ブラジル音楽とジャズの、もっとも幸福な融合がここにある。”
(ライナーノート棒読み~)

タイトルの”Saudade”はポルトガル語で「郷愁」とも訳されますが、真の意味は日本人の私にはわからないんだろうな…
小田さんの曲で言えば「16号を下って」を聴いてる時に感じるような気持ちに近いのかな?

あくまで音は明るく輝いて、5月の爽やかな朝にぴったり。
一曲目からぱあああー!

ってなる!ヽ(´ ∇ `)ノ
眠気に負けそうな気だるい朝でも、何か良いことが待っていそうな…浮き浮きとした気分に引き上げてくれます。
今月の月間一押しCDに決定しました!今朝!

♪だばだばだばでぃーだー だばでばでぃー(イメージ)

陽の光は明るく降り注ぎ、そよそよと初夏の風が吹いて来ます。

コンサート・バイ・ザ・シー

June07 [Thu], 2007, 13:10

夏が近づくとやっぱJAZZだよな~♪

コンサート・バイ・ザ・シー
エロール・ガーナー エディ・キャルホーン デンジル・ベスト 
(1955年録音)
ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル
2005-12-21

by G-Tools

”ミスティ”の作曲者としても有名なピアニスト、エロール・ガーナーのライブ盤。
1955年9月19日、カリフォルニアの公会堂で録音されました。

左利きにより生じる”ビハインド・ザ・ビート”、右手と左手の微妙なズレが、ガーナー独特の強烈なスウィング感を生み出す。
難しいことは考えず、ただ音とリズムに身を委ねて楽しめばいいんだと、跳ねるピアノが誘う。
「四月の思い出」が始まり、無心で音に身を任せる。
心の中の澱のようなものが、軽やかなピアノの音と共に消え去って行く。

ガーナーのビートに取り憑かれた後で、他のジャズを聴くと、明らかに前とは違って聴こえてきた。
穏やかなスローバラードが、エキサイティングで熱いセッションに。
長すぎると思っていたインプロヴィゼーション(即興)は、音のどん欲で自在な動きを楽しむ至福の時間に。

「コンサート・バイ・ザ・シー」をきっかけに、自分の音楽受信システムが、がらりと組み替えられた気がした。
別な世界の扉がひとつ開いた、とでも言うような。
私にとってジャズにはまる入り口となった、貴重な一枚であります。

ジャズミュージシャンが語るジャズ本

September10 [Sun], 2006, 0:22

ジャズマンが愛する不朽のJAZZ名盤100 / 小川隆夫 著
(河出書房新社)

ジャズ専門誌「スイングジャーナル」で20年近くに渡って連載されてきた「アイ・ラブ・ジャズ・テスト」をまとめた本。

ジャズミュージシャンをゲストに招き、盤名は伏せてアルバムを聴いてもらい、その楽曲やアーティストについて、コメントしてもらう。
その数163人。

コルトレーンの『マイ・フェイヴァリット・シングス』にはジョシュア・レッドマンが。
『ゲッツ/ジルベルト』にはハリー・コニック・Jr.が。
ビル・エヴァンスの『ワルツ・フォー・デビー』にはチック・コリアが。
他にも、たくさんのジャズメンがコメントしています。

キャノンボール・アダレイ『サムシン・エルス』(1958年)
こちらはなんと、録音から数十年の時を経て、
アート・ブレイキー(ds)、マイルス・デイビス(tp)、ハンク・ジョーンズ(p)が語ってますよー!参加した本人たちじゃん!

さっすがコメントも帝王・マイルス。

この本は、従来の評価、定説なんておかまいなし。
なんといってもジャズを生業とする本人たちの、生の声なのだ。
演奏する側の視点で語られるジャズ。
愛情、ときに愛憎、に満ちている。

ジャズミュージシャンが、偉大な先人から、同時代の仲間あるいはライバルの楽曲について語る。
軽いコメントからシビアなのまで…ある意味言いたい放題で~す*\(^o^)/*

アルバム一枚につき、数人にインタビュー。
当然、視点も異なります。いろいろな角度から、スポットが当てられているかんじ。
面白いです。
専門的な話はちょっと難解ですが、まあ評論家の話もよくわからんし。

これをきっかけに、昔よく聴いていたアルバムも、またあたらめて聴いてみようかな、と思う。

個人的には、ルー・ドナルドソンはやっぱりおちゃめな人だった、というのが印象に残っております。
アイラブ・ハンク・モブレー『ディッピン』には、ソニー・ロリンズ御大がコメントしとりますー。ちょっと嬉しいかも!