2010.12.30放送NHK-FM「TAKUROのミュージックマインド・小田和正ゲスト」レポその3

January21 [Fri], 2011, 21:30

 2010年12月30日、NHK-FM「TAKUROのミュージックマインド」
GLAY・TAKURO×小田和正、ゆるゆる文字おこしレポ、とうとうその3~!

レポその1はこちら→その2はこちら→
放送された内容と同じではありません。



【2010.12.30放送・NHK-FM「TAKUROのミュージックマインド」小田和正ゲスト・レポその3】

(BGM:そのままの 君が好き)

T:「ラブ・ストーリーは突然に」を聴いていただきました。

20年になるんですね。(小:びっくりしちゃうねー。)この曲がビッグヒットされてから。
20年という時は、音楽業界のさまも色々変わりましたし、例えばコンサートのテクノロジーがどんどん上がっていく中で、
最初に小田さんがコンサート活動を始めた時と、今はあらゆる環境が違うと思うんですけど、
その、テクノロジーや環境がもたらす違いって、小田さんにどういった影響を与えましたか?

小:オレにとって一番大きいのは、コンピューターで試行錯誤ができる、っていうことは、とっても自分に合ってたよ。
さっき言った、ひとりになって、自分が苦手だった部分も、その…試行錯誤することによって、自分なりに完成度を高められたってゆう…
もちろんもっと、ミュージシャンとうまく付き合えれば、自分なりにできたんだろうけど、あんまりコミニュケーションもうまい方じゃないから。
その点、コンピューターは、何も文句言わないで、だまって同じ作業繰り返してくれるからね。
だから、それは…オレにとっては、ちょうどひとりになった時と、クロスオーバーして、福音だったね。

T:もし、無かったら、もっと違ったコンサートのやり方になったんでしょうね。

小:もう違ったね…全然違ったね。
だからギターの佐橋とか、もっと…仰がなければいけないものがたくさんあったんだけど、
今は、作ったものに対して、こんな感じって言うと、ね。もうそこで、わかりやすい形に作れるから。うん。

T:常にこう…小田さんの頭の中にあるものを具現化してくれるという意味でのパートナーとして。

小:もう…ホンットにね。

T:ご自身でも、実際にいじってやったりするんですか?

小:いじる時もあったけど、今はエンジニアが。組んで。

T:やっぱりあれですね、近くにコンピューターが得意なメンバーがいるんですけど、そうすると覚えないんですね~。

小:あ、覚えない~(笑)覚えたほうがいいかなあ?って思ったりもするけど…
ただね、それはその…映像の編集なんかもそうだけど、自分でやり始めちゃうと、見えなくなる部分が、必ずあるからね。
誰かがやってくれてるのを後ろから見る、エラそうなディレクターってのはいるけど。なんだかんだ言って、お前やってみろ、みたいのはいるけど。
そうやって、自分でいじらないで、エラそうなことを言う立場っていうのは、大事なんだよな。
必ず、見えなくなっちゃうから。自分で作業するとね。

T:そろそろ自分で入りすぎてるな、見えなくなってるな、っていうのはご自身で気づかれるんですか?

小:気づかないのが、自分ていうもんであって。
だからやっぱり、人にやってもらうというのは、同時に進行はできないから、なんとも言えないけど、
自分であんまりやり過ぎちゃうと、いかんなあ…という。

T:今では毎年、クリスマスの風物詩になりつつある、小田さんのクリスマスの約束という番組が(小:へへっ(笑))
いろんな方と…それこそ、新人さんから若手から同じぐらいの年齢の方たちとも、
一年に一回、ああいったことをやることで、何か新たな発見とか…今悩んでることは絶対誰もが通るもんだよ、って感じながら作業は進めていくんですか?

小:いやいや、エラそうなことは若いヤツにも言う気はないし、
説教っぽくないようできるだけ、こいつが何を望んで、どういう表現をしたくなってるのかっていうことをすごく大事にしたいなっていう。
こいつの持ってる一番いいものを、みんなに届けたいっていう…

それでね、思い出すことは…いきものがかり。
もう4~5年前かな、初めて出てもらったとき、あの「SAKURA」って曲を、
♪さくらひらひら、って、ちょっとテンポを早くしてやった方がいいのかな、って思ったわけ。本番でね。
で、ちょっと早くするのってどう?って言ったら、
聖恵ちゃんが「いや、このまんまのテンポでやりたい」って言って。

で、オレはそれを言ったことを、ちょっと後悔したんだけど…(笑)そんなこと言うんじゃなかったなと思って。
でやっぱり、あのテンポだから、あの曲があの感じなんだろうな…だということはね、(T:なるほど。)今でもそれはすごく思い出すね。

T:あのー、後ほどDVDとして発売もされて、僕みたんですけど、
音楽のひとつの楽しみ方として、好きなアーティストを通して、その好きなアーティストが影響を受けたアーティストの音楽を聴く、っていうのを、オレ久しぶりにやりまして…

小田さんがなんども練習したっていう、ピーター・ポール&マリーの「A’soalin」。
あれ、オレ、全然通ってなくってですね。なんかいい歌だな~。
でもいい歌だけど、怖いし不思議な成分でできてるなあ…ってことで、今度オリジナルに戻っていって、好きになっちゃって。
その時代の、横のミュージシャンを、っていうような…

ティーンエイジャーの頃はよく、好きなバンドの人達がおすすめのアルバム10枚、とかっていうと、それを買って、
ラジオでエアチェックしながら、自分の音楽の幅を広げていく、てのがあったんですけど、
そういった作業を久しぶりにやりましてですね(笑)はい。

(BGM:たしかなこと)

なんか、あらゆるミュージシャンが突然変異としてドン!と現れたわけではなくて(小:そうだよね。)積み重ねで、その人があるんだなあ…って。
そういうところでもすごく、沢山の人たち、特に若いミュージシャンには、いろんな音楽を紹介するって意味でも、尊いなと。

小:あんまり押し付ける気は無いんだけどね。こんなのも、どうなのかな~(笑)ぐらいな(笑)

T:一番は小田さんが嬉しそう、というか、なんかこう…

小:いや、照れてんじゃない?えへへへ(笑)(T:嬉しそう、でいいじゃないですか(笑))

T:ほんとうにこの音楽をずうっと聴いてて、そっから、オフコースや小田さんの音楽ができるんだ、ていうのが、
ちょっと秘密をわかっちゃったような、そんな気持ちになる(小:あー。。)
だから、曲を選ぶのも、骨の折れる作業なのではないかなと。そういった奴もいたりもするし。

小:オレなんか今逆に、ラップみたいなこととか、色々あるじゃない?新しい。
そこの、どの部分が若い人にアピールしてんのかな?と思うよね。

だから、それと同じように、昔の俺らが聴いていいな、と思った頃の曲を、同時に聞かした時に、
やっぱりこっちじゃなくて新しいものじゃないと、全然受け付けないのか、
それとも、そういう昔のものにも、何か良いとこを見つけるんだろうか、みたいな興味はあるよね。

T:…いや、なんかぐるぐるぐるぐる回ってるような気がするから…(小:まあな。)
でもあの、どこかでインタビューでおっしゃってましたけど、
「ミュージシャンの考えてることと、リスナーの考えてることって、平安時代からあんま変わってなくって」っていう(小:ああー(笑))

間に入ってるメディアが、商売になるようなものをピックアップして、今これが主流です、って言って、そこに着いて行くことで、流行ってるようにみえるけれども、
それでもやっぱり、そんな10年20年ではさほど変わらないのかな、ってのが、16年やってきて。
だから、あんまり、流行りにブレたりすんのやめようって。

小:ああー。。

T:ありましたからね。90年代とか、転調とかバンバン使って、小室サウンドにしたほうがいいのかななんて(小:(笑))迷うことがあったりして(笑)(小:あ、そう。)
やたら90年代のGLAYの曲って、転調が多いんですよ。(笑)ベースのJIROにめっちゃくちゃ怒られるんですけどね。覚えづらいって(笑)
生身の人には大変ですよね。意味の無い転調なんで、俺たちの場合は。何の音楽的バックボーンも無く、そういうのいいらしいなって。
サビになると半音転調するとかっていう…(笑)ただのおどかしですもんね。
はい…日々勉強です。

ここでまた(笑)一曲お送りしたいと思います。
GLAYの曲、聴いていただいていいですか。(小:どうぞ。)

僕が高校卒業してすぐ位に作った曲なんですけど、「春までは」って曲なんですけど。
まだ、言葉とかも全然つたないというか…十代の日記みたいな感じなんですけれども、今、この年代になったからこそ、味わい深く聴けるし演奏できる、っていう…そんな曲です。
GLAYで「春までは」

♪春までは

48分まで来た~

番組はまだまだ続きます。。

いきものがかり初出演は、2006年のクリ約でしたね。
聖恵ちゃんに言われて、後悔する小田さん…