「函館待春」(2005年、100号)
明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い致します。
昨年末、上野の東京都美術館へ、展覧会をみにいきました。
大好きな油彩画家の、最新作が展示されていたので。
「函館待春」
手前に広がる白く積もった雪は、真冬のような重みはありません。
ぽんぽん、と左手に並ぶ木々が雪の上におとす影は、どことなくリズミカルに伸び、もう間もなく来たる、雪解けの季節を待ちわびているようです。
見下ろす街並に建つロシア教会。今にも扉が開きそうです。
春を待つ人々が、その街で日々を暮らしているさまが浮かびます。
遠くには白く光る函館の山々が広がります。
でも、その手前の海は、もう冬の色ではありません。
もうすぐ、ほんとうにもうすぐです。
空気はまだ冷たいけれど、ほんの少しだけ、春先のかすかな匂いが混じっているように感じます。
そんなことを考えながら。
絵を観た帰りは、宴会です。
旬のお造り盛り合わせ、カレイの唐揚げ、れんこんと明太子の挟み揚げ。
イカの照り焼き、もずく酢、ネギ豆腐焼き、なす田楽、
しめは寄せ鍋。温まってほっとします。