小田和正8/24「ザ・ワイド」レポ3・あの事故から57歳の今まで

August25 [Thu], 2005, 13:54

小田和正8/24「ザ・ワイド」レポ1「言葉にできない」はどう生まれたのか。はこちら。
レポ2・オフコースを振り返って。はこちら。

(「緑の街」撮影風景。2本の映画を監督。
その後、思わぬ災難が小田さんにふりかかる。
1998年7月、九死に一生を得た東北自動車道での事故。当時のワイドショーの映像。入院時の写真)

草野さん:交通事故に遭われたっていうのは、忘れられないことだと思うんですが。(小田さん:そうですねえ…)

(時折目をつむり、ゆっくりと話す)

小田さん:その…「生きててくれて良かった」っていう…そう、いっぱい、メッセージが。
それがその、誰かが書いたメッセージを見て、真似して、じゃなくて、みんながそういうメッセージを、いっせいに。(くれた、という身振り)
まあ、普通のことなのかも知れないけども…
身内でもない人たちが、そんな風に思ってくれたんだっていうことは…よくほら、「自分一人の体じゃない」みたいな言い方するじゃないですか。ちょっと気持ち悪いけど。
ああ、そんな風に思ってくれる人がいるんだったら、
少しでも、いっぱい曲書いて。あの…ねえ、期待に応えられたらいいなって、思いましたね。
まあ、曲書くときとか、必ずそれが一回は出てきますよね。

(事故後の、スタレビとの海の中道コンサートの映像。)

(復帰ライブにて)小田さん「どうも、心配かけました。反省してまーす!みんなの心配が、とっても嬉しかったです!」 

(事故を契機に、以前にも増してファンとの交流に心を砕くようになったという小田さん。
2001年6月、福岡のトーク&ライブの映像。)

小田さん「みんなは子供いるの?(客席にきく)僕も子供いないんですけど、どっかにいるとまずいですけど(客席爆笑)」

(セーラー服の女子高生に)「高校生の諸君はお母さんがファンで?(いいえ)小田さんのファンなの君が?(はい)
まさか!?(笑)小田さんの歌が好きだとか学校でいうと、バカにされるでしょ(笑)知ってんだから(笑)」

(小田さんのコンサート名物コーナー、ご当地紀行の映像も。)

八戸の蕪島、甲府、名古屋で手羽先を焼いている小田さん、奈良で鹿に突進される小田さん(笑)

太鼓橋。「ここをカップルで渡ると、別れてしまうという噂があるらしいですけどもね、そんな便利な橋があったんでしょうか(笑)誰を連れて行きますか?皆さん!」

松山坊ちゃんスタジアム。「まだ出来上がってない、ということですけど、中を見せてもらうことになりました。
しかしながら、私は漱石『坊ちゃん』好きですけども、『坊ちゃんスタジアム』という名称はどうなんでしょう?漱石が生きてたら、是非、やめてほしいというふうに、言うんじゃないでしょうか」(笑)

そのスタジアム、グランドの芝の上にぽつんと座り込む小田さん。
「ここはまだ誰も使ったことがないということを聞いて、こけら落としライブをやろうということになりました!ねえ。さっそくやってみたいと思います!」
誰もいないグランドで、ぞうさんギターを弾き「♪君を抱いてーいいのー 好きにー(びにょん)」弾き間違い(笑)

スケッチ紀行の映像と作品がいくつか紹介される。「そして今も」が流れる。

草:世間は必ず「57歳」と冠につけて書いてくるんです。その辺はどんな風にお感じになりますか?

小:自分が、57歳っていう年齢を、自分があんま自覚してないですよね。57なんだなあ、って思った時に、いいかなこんなことやってて、みたいなことの連続で。
57っつたらやっぱり、昔っからするととんでもない歳じゃないですか。

草:そうですね。20年、30年前の感覚でいうとね。

小:だから、どういうことなんだろうって。その、高い声が出るなあっていうのと同じように、57でこんなふうに歌ってるっていうことの、ギャップが埋められないで、ずっといますよね。
そのギャップの中で、葛藤して、つくったり、歌ったりし続けて、終わっていけばいいのかなと。

(17日のライブ映像「キラキラ」。画面に歌詞が出る。

”今はただ目の前の 君を抱きしめていたい
明日の涙は 明日流せばいい
今だから出来ること それを決して 忘れないで
この時 この二人 ここへは戻れない”

「どうもありがとう!」小田さんのシャウト。)

「Yes-No」「キラキラ」
作詞・作曲 / 小田和正 より歌詞一部引用

草野仁さん、さすが。話を聞き出すのがうまいです。小田さんもライブ後のせいか、いつもより素直な感じで。
スタジオコメンテーターの有田氏は、毎日「そうかな」を聴いている、今朝も聴いて来た、と。いい人だ(単純)

小田さんが言った「伝わる音楽と、そうでない音楽との尾根」

うん。なんとなくわかる。
私にとって、オフコース、小田さんの音楽は、はるかな尾根を越えた場所に存在している。

心の奥深くまで伝わる音楽。