2016.6.30(木)東京体育館れぽ【小田和正ツアー2016君住む街へ】

July02 [Sat], 2016, 20:51

 小田和正ツアー2016 君住む街へ
6月30日(木)東京体育館、初日レポ。

東京体育館、2日間があっというまに終わっていきました。
6.30、東京、そして今回のセットリスト。
多くのオフコースファンが集まったと思われる会場は、いつもとは違う雰囲気で
まさに「あの日 あの時」を思い出しては、過ぎてきた時間と、今を思う。

それは少なからず小田さんにもあったようで…

6時35分、コンサートが始まりました。

・・・

※当ブログにおける全てのライブに関する記述は、録音録画機器は一切使用しておりません。
すべて個人の記憶、主観に基づくもので、実際とは異なります。

オープニング映像で映しだされるモノクロ写真にどよめきが起き、
時間は進み、1982年…
笑顔がどんどん弾けていくのは、花道を走り始めた頃から。
この10年をみているだけで泣きそうになる。

小田さんの登場を待ちかねる手拍子は高まっていき、

楽屋口に近いエリアで、最初の歓声が起きる。

小田さん!

メインステージを通り過ぎ、花道をまっすぐ歩いて、客席真ん中のステージへ。
歓声が飛び交う中、歌い出しにグッと集中して…

大好きな「風」という言葉で始まる歌。
閉じられた空間に、ふわっと風が流れ、空が広がる。

メインステージ真横のスタンドからも見えやすいようにと配慮したのでしょう、
外周の途中に階段があり、
2階客席の目の前、高い位置を通るように花道が設置されていました。

階段、体力を消耗するんだよな…小田さんすごいな…

「どうもありがとう。
私の言い方だとあまり伝わらないかもしれませんが、とっても感謝しています。

スタッフと話していて
今日、6月30日は、5人のオフコースの最後の武道館の日だと(拍手)
その時、10日間で一日でも来た、という人は?
(けっこう手があがる)
そんなに~~?!(笑)
みんな若かったね(笑)

期待に応えられるかわかりませんが、ジジイなりに頑張ります。」

「ベストアルバムを編集するにあたり、今までの曲を、きき…きき…ききかえして(笑)
…何が何だかわかんなくなってくる(笑)
聴き返して。(笑)

タイトルを聴いてもわかんない曲があって…聴いてみたら、へんてこで(笑)
どこがどう、というわけではないけど、ヘンテコなんで…この曲の存在を忘れたいんだな。
それで思い出せない。
まあ、昔はそういうの忘れたかったけど、今はね。

そんなヘンテコな曲の中で、わりと、当時少ないファンの方々が、好きだと言ってくれた曲を
オリジナルに近い形で、やってみたいと思います。」

続いて、ピアノ前に座り、あのイントロを弾き始めると…どよめきと拍手が。

花道を歩きながら…好き、キライという曲を最近は書いてない、と。
ラブ突みたいな。と、そこまでさかのぼりますか~

「若葉のひと」はー?何度も何度も、君に恋をするんじゃないのかー!

オフコースの曲が続きます。

ドキドキしてきた。

『心はなれて』

ああもう、630の再現ではないですか。

34年前の小田さんと、34年後の小田さんと。
630が近いから、三日前にDVD3回も見てたから。

今のほうがレコードに近いアレンジなのが、不思議な感じ。

モニターに、あの日の武道館が映る。
私は行けなかったけれど、
行けなかったからこそ、繰り返し擦り切れるほどビデオを観ては
あの時の空気を、客席の声を、小田さんたちの表情を、ひとつ残らず感じたいと焦がれていた。
5人の最後のオフコースを。

ピアノとストリングスの音が響き、静かに曲が終わる。

続いて、『言葉にできない』が始まる。

あの日と同じセットリスト、
違うのは小田さんがひとり、ピアノを弾き始めること。

2番が始まって、あっと思った。
アレンジを変えてきてる…!

遠い記憶をさぐるような
水面に映っては消える一瞬の像を見定めようとしているような

揺らぐ心の動きが、ピアノに移ったかのような音

今日という日に、新しい、言葉にできない。

と…

2番まで無事に歌い終えて、次のフレーズ。
630武道館では、ここで持ち直したところ。

小田さんの歌が、途切れました。

そのまま、ピアノだけが続き。拍手が小田さんを包みます。

私は例によって双眼鏡でガン見していて(この曲はモニター映像ないので)

小田さんの両目にみるみる涙がたまっていって、今にもこぼれ落ちそうだった。。

それをグッとこらえて、なんとか持ち直し、
サビのフレーズの繰り返しからさいごまで、
絞りだすような渾身のシャウト。
すごい。すごかった。

立ち上がって、顔を手で拭い、

大きな拍手。。

次の I LOVE YOU では
いつもの小田さんに戻って、一歩ずつ、花道を歩きながら。
少し声が低かったかもしれないけど…

この曲が今ものすごく好きで、34年前も好きだったけれどその時より好きだと思う。

・・・

花道で風船を追いかけていったら、すごい勢いで戻ってきた風船に激突(笑)
顔がぶにゅってなって笑っちゃってる(笑)

キラキラの大サビ前、ステージ横の花道への階段を、段飛ばしで駆け上がり、
スタンド前で大サビを熱唱する小田さんも、

花道の小田さんと一緒にラブ突を大合唱することも、

34年前には見れなかった姿。

決してやめない客席突入も
歩いて行った先の笑顔を知っているから。

そんな小田さんがものすごくカッコよくて、同時にハラハラもする。
いつか風船追いかけて落っこちるんじゃないかって。

2日目は風船と一緒にマイク投げ飛ばしてた(笑)

・・・

『たしかなこと』を歌っている時に
私の周囲から合唱が聞こえてきて、いつもはわりと歌う人がいないのに
この日はたくさんの人が歌っていました。

小田さん、途中で右のイヤモニを外したのは、歌が聴こえたからでしょうか。

私の隣は、坊主頭にスーツ(!)のいかつい男性で、とにかく縦にも横にもデカくて
椅子からはみ出るのを窮屈そうにしていて
ファンなのかな、いちおう手拍子とかしてるけど、保険関係者かな…怖いw(すいません)
でも、『たしかなこと』の時、すごい泣いてる人がいる…と思ったら
大きなその人が号泣していた。

私はやっぱり「風は止んだ」で泣いてしまう。

コンサートの前半、オフコースの曲をずらっとやってくれて
それはとても懐かしく、心が浮きたち、思い出に浸り、涙するけれど

34年の間もずっと、小田さんはたくさんの歌を作り、歌い続け、
ひとつひとつが心に響き、とても大切で、
その小田さんの歌が、変わらずに、、私たちの心の傍らにあったことが
何より嬉しい。

34年後に、こんな気持ちでコンサートにいることができたのは
奇跡なんだと思う。

小田さんと、小田さんの周りのたくさんの人たちと、
小田さん、オフコースの音楽を愛し続けた観客とが集まった、
奇跡みたいな一日だったと思う。

・・・

「今日は、なんていうか…
『言葉にできない』でまさかあんな風になるなんて、思いもしなかったですが…
なんだよ、34年前と一緒かよ、とがっかりしてしまいましたが…」

客席の温かい思いがいっぱい。

「こんな年になって、前回も言いましたが、次の約束はなかなかできない…
でも、次会うときは、いくつになってるかわかりませんが
できれば、オフコースばかりじゃなくて、新しい歌を書いて。

僕が言っても、なかなか伝わりにくいと思いますが、
本当に感謝しています。
今日は、たくさんのひとたちが来てくれて、知り合いも来ていて、
アーティストの友達もいっぱい来ていて、やりにくいところもありましたが(笑)
本当にありがとうございました。

このツアーのタイトルは、相当、心して、つけました。
その歌を歌って、お別れしたいと思います。」

『君住む街へ』。

花道をゆく先々で、たくさんの人が笑顔で、泣き顔で、手を振る。

小田さんは、颯爽と前を向き、後ろに手を振りながら、歌い通り過ぎてゆく。

次の街、次の会場へ。

・・・

アンコール、34年前は一緒に歌えなかったこの曲を
今日は一緒に!
あの日武道館にいた人たちは、今日のことを予想しただろうか。
小田さんと一緒に、一糸乱れぬ振り付きで歌うことも(笑)

もう一度。
奇跡みたいな一日だった。

2回目のアンコールは、新潟2日目と同じく3曲。

さいたまから加わったオフコースの曲、

ダイジョウブ、

また会える日まで。

誰かがコーラスの入りをまちがえて、がくっとなるメンバー(笑)
新潟初日に続き、珍しいものをみて(笑)、2016.6.30は、終わりました。

東京体育館2日目につづく…