少し前、金スマきっかけで玄関のインターホンを掃除したら、なんと本当にやってきた。
ジ・オフコース、コンテスト音源収録レコード
GRAND PRIX / FOLK
3rd ALL JAPAN LIGHT MUSIC CONTEST
■第3回ヤマハ全日本ライト・ミュージック・コンテスト・グランプリ・フォーク部門より実況録音
(1969年11月2日・東京厚生年金会館)
THE OFF COURSE / 『Jane Jane』 『One Boy』
ざらりとしたLP特有の音。小さく入るノイズ。
37年前、アマチュア時代のオフコース。
ギターとウッドベースとが、巧みに軽やかに音を紡ぐ。
ジ・オフコース、3人のハーモニー。
瑞々しくまだ細い小田さんの声。優しく深みのあるヤスさんの声。
ハスキー気味にハモる、聴いたことのない声は地主さん?
皆とてもきれいな声をしていた。
声と楽器が絶妙なバランスで重なりあい、歌の世界を作り上げていた。
「ワン・ボーイ」のハーモニーの美しさ。
小田さんの、明るく伸びやかで、繊細な声。
まるでまっ白につやめく陶器のような、儚さをたたえて澄んだ歌声が、なぜか微かに心を波立たせる。
悲しい時の気持ちにどことなく似ている気もする。
もし私が小田さんを知らずに生きてきたとしても、この歌を聴いたら間違いなく、この歌声の虜になっていただろう。
ジ・オフコースは「コンテストを記念に音楽をやめるつもりで」参加したそうだが。
こんな風に歌うことができる人たちは、歌い続けるほかはない。
まさしく、天賦の歌声だと思った。
このコンテストでジ・オフコースは2位。グランプリは赤い鳥。
たしかに赤い鳥の「竹田の子守唄」は、すでにプロの風格が感じられる完成度だった。
ジ・オフコースは、アマチュアの演奏としては素晴らしかった。
だからこその2位だったんだろう。
まだまだ未完成のグループ。
完璧主義の小田さんたちにとっては、不本意な感想かもしれないが。
何より、完成形というものを予感させない。
今日どれほど完璧な演奏をしたとしても、明日はもっと違う高みにいるだろうという、漠然とした予感。
完成という名のかりそめの到達点など、無いように思えた。
この先ずっとどこまでも、この人たちの歌を聴き続けてみたい。。
37年前のLPを聴いて、そんな気持ちになった。
実際、今も長年聴き続けてる訳ですが。
過去にタイムスリップしてみたら、
「やはりあなたは、運命の人だったのか・・!Σ( ̄口 ̄;」
みたいな、不思議なかんじです。