「ジェーン・ジェーン」「ワン・ボーイ」

June17 [Sat], 2006, 13:35

少し前、金スマきっかけで玄関のインターホンを掃除したら、なんと本当にやってきた。 

ジ・オフコース、コンテスト音源収録レコード

ジャケット、ライナーノートについて書いた記事はこちら→

 GRAND PRIX / FOLK  
 3rd ALL JAPAN LIGHT MUSIC CONTEST  
 ■第3回ヤマハ全日本ライト・ミュージック・コンテスト・グランプリ・フォーク部門より実況録音  
(1969年11月2日・東京厚生年金会館)  

THE OFF COURSE / 『Jane Jane』 『One Boy』  

ざらりとしたLP特有の音。小さく入るノイズ。  
37年前、アマチュア時代のオフコース。  

ギターとウッドベースとが、巧みに軽やかに音を紡ぐ。  
ジ・オフコース、3人のハーモニー。  
瑞々しくまだ細い小田さんの声。優しく深みのあるヤスさんの声。  
ハスキー気味にハモる、聴いたことのない声は地主さん?  

皆とてもきれいな声をしていた。  
声と楽器が絶妙なバランスで重なりあい、歌の世界を作り上げていた。  

「ワン・ボーイ」のハーモニーの美しさ。  
小田さんの、明るく伸びやかで、繊細な声。  
まるでまっ白につやめく陶器のような、儚さをたたえて澄んだ歌声が、なぜか微かに心を波立たせる。  
悲しい時の気持ちにどことなく似ている気もする。  

もし私が小田さんを知らずに生きてきたとしても、この歌を聴いたら間違いなく、この歌声の虜になっていただろう。   
ジ・オフコースは「コンテストを記念に音楽をやめるつもりで」参加したそうだが。  
こんな風に歌うことができる人たちは、歌い続けるほかはない。  
まさしく、天賦の歌声だと思った。  

このコンテストでジ・オフコースは2位。グランプリは赤い鳥。  
たしかに赤い鳥の「竹田の子守唄」は、すでにプロの風格が感じられる完成度だった。  

ジ・オフコースは、アマチュアの演奏としては素晴らしかった。  
だからこその2位だったんだろう。  
まだまだ未完成のグループ。  
完璧主義の小田さんたちにとっては、不本意な感想かもしれないが。  

何より、完成形というものを予感させない。  
今日どれほど完璧な演奏をしたとしても、明日はもっと違う高みにいるだろうという、漠然とした予感。  
完成という名のかりそめの到達点など、無いように思えた。  

この先ずっとどこまでも、この人たちの歌を聴き続けてみたい。。  
37年前のLPを聴いて、そんな気持ちになった。  

実際、今も長年聴き続けてる訳ですが。  
過去にタイムスリップしてみたら、  

「やはりあなたは、運命の人だったのか・・!Σ( ̄口 ̄;」

みたいな、不思議なかんじです。