ジャズミュージシャンが語るジャズ本

September10 [Sun], 2006, 0:22

ジャズマンが愛する不朽のJAZZ名盤100 / 小川隆夫 著
(河出書房新社)

ジャズ専門誌「スイングジャーナル」で20年近くに渡って連載されてきた「アイ・ラブ・ジャズ・テスト」をまとめた本。

ジャズミュージシャンをゲストに招き、盤名は伏せてアルバムを聴いてもらい、その楽曲やアーティストについて、コメントしてもらう。
その数163人。

コルトレーンの『マイ・フェイヴァリット・シングス』にはジョシュア・レッドマンが。
『ゲッツ/ジルベルト』にはハリー・コニック・Jr.が。
ビル・エヴァンスの『ワルツ・フォー・デビー』にはチック・コリアが。
他にも、たくさんのジャズメンがコメントしています。

キャノンボール・アダレイ『サムシン・エルス』(1958年)
こちらはなんと、録音から数十年の時を経て、
アート・ブレイキー(ds)、マイルス・デイビス(tp)、ハンク・ジョーンズ(p)が語ってますよー!参加した本人たちじゃん!

さっすがコメントも帝王・マイルス。

この本は、従来の評価、定説なんておかまいなし。
なんといってもジャズを生業とする本人たちの、生の声なのだ。
演奏する側の視点で語られるジャズ。
愛情、ときに愛憎、に満ちている。

ジャズミュージシャンが、偉大な先人から、同時代の仲間あるいはライバルの楽曲について語る。
軽いコメントからシビアなのまで…ある意味言いたい放題で~す*\(^o^)/*

アルバム一枚につき、数人にインタビュー。
当然、視点も異なります。いろいろな角度から、スポットが当てられているかんじ。
面白いです。
専門的な話はちょっと難解ですが、まあ評論家の話もよくわからんし。

これをきっかけに、昔よく聴いていたアルバムも、またあたらめて聴いてみようかな、と思う。

個人的には、ルー・ドナルドソンはやっぱりおちゃめな人だった、というのが印象に残っております。
アイラブ・ハンク・モブレー『ディッピン』には、ソニー・ロリンズ御大がコメントしとりますー。ちょっと嬉しいかも!